空撮にチャレンジ

2006/11/03

まえからキャノピーにデジタルカメラをぶら下げる方法で空撮をやろうと2004年に赤外線のリモコンがオプションであったペンタックスのOptioを購入したのはよいが遅々として工作が進まずにお預けとなっていた。ようやくこの2006年の秋、2年越しにテスト段階ではあるがその結果を得ることができました。まあ、そんなわけで失敗の巻やら何やらをメモっておく。



その1 必要なギアとして、デジタルカメラはペンタックスのOptio S40を選びましたが購入にあたって確認すべきことは、つぎのような点です。

1 何らかのリモコンが使用できること。

これは当たり前のことですが自分が手に持ってシャッターを押すわけにはいきませんので改造をしない限り初めから内蔵されていることが条件です。と、いうことで赤外線リモコンがオプションであったOptio S40に決めました。

2 勝手にパワーオフしないこと。

これも大変重要なことで、セットしてから数分後に勝手にパワーオフしてしまったのでは役に立ちません。フライト中にもう一度スイッチを入れなおすことは残念ながらできない。そんなわけでオートパワーオフを殺せる機種を選びます。

その2 キャノピーにデジカメをぶら下げるための箱を作ります。やっぱりどうやってキャノピーにデジカメをぶら下げるかに思案する。そのままというわけにはいかないので箱に納めてランディング時の衝撃予防にも対処させます。

1 箱に使えそうなものを買ってくる。

こんな時は100円均一ショップへ向かうに限る。食品用の手ごろなタッパーとスポンジを適当に買ってくる。

2 デジカメに合わせて加工する。

Optioの場合はスイッチオンでレンズが飛び出すので支障のないよう大きめに穴をカットします。それと赤外線受光部の穴あけ、たった2ケ所のみです。工具を引っぱり出しての力作業はこれくらいです。

3 スポンジを切り張りして隙間をうめる。

ケースとデジカメとの隙間は固めのスポンジを切り張りしてうまく埋めて行きます。カメラをセットした時にガタのないようにするのがコツです。

4 ケースの周りに衝撃予防のスポンジを張り付ける。

Optioはレンズが飛び出すのでこれの保護も兼ねて外側にスポンジを張り付けます。デジカメをパーにしては何にもなりませんから大事に保護ってやりましょう。


●円形の穴はサークルカッターを用いてゆっくりと切って行きます。角穴はドリルで空けた丸穴をヤスリで拡げます。
●クッション用に加工した前部用のスポンジです。スポンジですのでカッターナイフで簡単に切れます。
●穴あけが終わった箱に前部用のスポンジを張り付けたところ。

●カメラがガタつかないように段ボール紙やスポンジで厚みを調整しながら張り付けて行きます。

●写真のようにカメラがぴったりと納まりました。黄色のベルクロは蓋をした上から張り合わせて蓋が外れないようにしています。 ●反対側はこんな感じです。段ボールにスポンジと廃品様のものが結構役立ちました。

その3 赤外線リモコンを強化する。

1 屋外の強烈な陽射しの下ではシャッターが切れない。

7月に最初のテストを行ったが予想に反して失敗の巻となった。既成のリモコンそのままでは強烈な陽射しの屋外でシャッターが切れません。届く範囲は50~100cmでこれではまったく役に立たない。そんなわけでリモコンの強化策を考えなければならなくなった。

2 単純に赤外線LEDをいっぱい付ける。

早速ネットで高輝度赤外線LEDを検索してみた。 あるある、単価もお安く1個20円程度で手に入りそうだ。で、通 販も良いけど他に買うものもあるので日本橋へ出かけました。日本橋で電子パーツの買い物はといえばシリコンハウス共立です。

3 さて強化LEDを既成リモコンでどのようにドライブするか。

これもどうしましょうと結構考えました。ペンタックス既成リモコンの出力はLED1っ個を駆動しているだけなので、単純にLEDをたくさんパラレルにしてもあきません。それに見合ったスイッチが必要ですな。とにかく強化LED自体はトランジスタのオープンコレクタ方式でスイッチすることにして、最後に残ったのが既成リモコンとトランジスタのベース接続だ。あ~やこ~や(といっても30分程)考えたあげく閃いたのがフォトカプラでした。これで難無く解決ですわ。このフォトカプラ、ようするに発光ダイオードとフォトトランジスタを一緒にしたもので、昔の(もう20年以上は経つか)パーツケースを覗いたら使い残しが2個もありましたぞ。回路的にはペンタックスリモコンの発光ダイオードがフォトカプラの発光ダイオードに置き換わったということです。フォトカプラの品番は東芝TLP521-1です。ピン接続忘れちゃってるので東芝セミコンのHPからPDFを取ってきました。

その4 強化リモコンの工作と完成まで。

1 本当にLEDふやせば距離が延びるのか。

疑心を払拭するためにバラックでテストしてみた。これも眠っていた紙エポキシ基盤に高輝度赤外線LEDを4個載せて夏場のカンカン照り屋外でテストした。その前に室内でもテストしたが室内では8m程度離れてもシャッターが切れた。屋外に持って行くと2.5m程度までならシャッターが切れることを確認した。まあ、ノーマル時より距離は延びたので効果 は有るとの結論に達する。

2 テストなどで困ること。

こういう赤外線テストでいちばん厄介なのは赤外線は人間様の目に見えないことでどれだけ光っているのかさっぱり分からない(測定器があれば別 ですけどね)。そんなわけで普通のLEDをモニター用に入れました。

3 やっと完成型に近い物ができた。

LEDは最終的に基盤との兼ね合いで4列×6個の合計24個になりました。室内テストでは8m離れて少しくらい斜めに向けてもシャッターが切れる。これならいけると2度目の本番テストを行うことにした。これが11月2日の23時頃、明日のために早く寝よう。

4 やったぞ、これで屋外でもシャッターが切れました。

何とか今年は年内に撮影することができました。もう少し回路の調整をしてからケースに納めます。

 


| パラグライダーへもどる |